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DUAL 1229 (1219)モーターの分解と調整

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優秀なSN

岩崎千明 氏の   DUAL 1229 評(ステレオサウンド 30号)で

「ターンテーブルの重量はなんと3・1kgと、マニュアルプレーヤーとして世界一というトーレンス
のそれに匹敵する。手もとのスウェーデンで発行されたカタログによれば(王立研究所の測定結果とし
て)デュアルの701DDターンテーブルつきとほぼ同じSN、ワウフラッターの優秀な数字が掲げら
れ、それはトーレンス125に優るとはいえ、劣ることはない。」

と、SNの優秀さを力説する評価になっています。

イメージ 1


40年ほど前の機械ですので不具合は出てきます。我が家での DUAL 1229 の第一印象は SNが良くない
ことでした。モーターも静かではありません。時々ノイズも出していました。


モーターの分解
という事でモーターの分解をしたのですが、とにかく苦戦しました。モーターの再構築にはそこそこ腕
に覚えがありましたが、モーターの癖がわかるまでどれだけ日数を費やしたことか。

イメージ 2

近所の車修理屋から借りてきた、このオー
プンプライヤーに助けられました。カバーを
開く時には力技で何とかなりますが、閉じた
あとの調整時にはこの道具が無いと完了しま
せん。掴むのではなく逆に広げるという必須
の工具です。








以下その概要


解体した下側の軸受け
トーレンスTD124の軸受けに似ていますが、大きな違いはオイルが全く無かったことです。メンテナン
スの為にオイルを注油する構造にもなっていません。TD124 ではピーナッツと呼んでいるスリーブもオ
イルレスメタルではなさそうです。

フェルトにもオイルを染み込ませた形跡がなく、スリーブを半固定に支持する役目しか負っていないよ
うに見えます。

イメージ 3
右端の銅版で回転軸を直接受ける構造になっ
ています。




我が家は写真のようにオイルを使用しました
が、オリジナルのオイル無しにするか
オイル
を染み込ませるか悩むところです。





イメージ 9
長年の使用で削れて大きく凹んでいました。
(右端の軸受け)

ひっくり反して元に戻します。








イメージ 4



ローターはバランスをとって丁寧な造りに
なっています。










イメージ 5

2本のボルトを止めて再構築は終了ですが、
苦戦はここからでした。


唸ります。

モーターの回転音とは別に低い周波数のウ
インウインという唸り音が消えません。





イメージ 6
本体から外してモーター単体で唸り音のない
ポイントを見つけても本体に取り付けると唸
ります。
それではと、目いっぱい強固に締め付けても
同じ結果です。









唸る時にはモーターのトルクが出ません。
トルクが出ない時はプーリーがテーパーになっているので位置を高くすれば事は足りますが、正しい設定
になっていない証拠であって面白くありません。





決め手になったオープンプライヤー

結論を急ぎます。(まとめ)
1. 2本のボルトを適度に止める。強度に締め込まない。
2. 本体に取り付ける。
3. ターンテーブルも取り付け、モーターも動作させたままオープンプライヤーで唸りの出ないポイント
を探す。
ポイントというのは下側のモーターカバーを取り付ける傾きです。下図  

イメージ 8
我が家ではアイドラの反対側(向かって右)
を広げて最適値を見つけました。この時にオ
ープンプライヤーを使います。

ボルトの止めが2箇所ですのでシーソーのよ
うな動きをします。

写真では右が広くなっていますが最適値です。
(ストロボを見ながら加減をすると分かりや
すい)

イメージ 7



この結果、唸りの出ないポイントでモーター
のトルクが最大になる。

さらに、トルクが最大になるとプーリーを下
の端まで落とした位置でピッチコントロール
のほぼ中央でストロボが同期する。








たまたま思いつきで上手くいったものの、これが正しい調整方である自信は全くありません。WEBで検
索をかけてもこの方法は見つけられませんでしたが、もしかしたらモーターの固有のクセかとも・・・

しかしボルトが2本しか無く、ボルトが目いっぱい締め付けられてなくシーソー状態であった事などから
この方法が間違いではないように思っています。

静かでトルクも最大になる調整が出来て結果オーライです。




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