レコードの聴き方がやっと変わった。変わってもう1年以上になる。
こういう聴き方を望んでいたけれども、装置をいじったら面白いものだから抜けられなかった。というか、そもそも音楽を聞く事とオーディオが1本の線上にあるものと勘違いをしていた。
DUAL のレコードプレーヤーを使い始めたころから。レコードの裏表をじっくり聴くようになった。音の良し悪しを気にする事がなくなった。音に関心が無くなりはしないが殆ど考えない。装置はそこそこで良いと思えるようになった。年齢も影響していると思う。
DUAL のプレーヤーが原因ではないが無関係でもない。以前、ヤフオクにDUAL を出品されている方が商品説明で「レコードを聴くにはこれで十分です」と書いていたのをみて感心した。実は DUAL はそこそこなのです。そこそこだから良いのかもしれません。
最近、真空管アンプ(VT-52 シングルアンプ)を製作したあと整流管を差し替えて同じレコードを繰り返している自分に「いかん、いかん。レコードを聴いているのか。整流管の音を聞いているのか」と自分に問いかけたりする。
これと同じ時期にレコードを聞いて涙を流す場面が2度あった。レコードを聴いて涙を流すことなどめったにない。レコードは2度とも渡辺貞夫の「スイス・エアー」だった。
決して録音が良いわけではない。どちらかといえば録音は良くない。
当たり前のことだけれど聞いて感動するのは音ではない。ダイレクトカッティングのレコードを聴いて良い音だと感心するがその事で感動はしない。
こんな当たり前のことにやっと気がついた。
音楽を聴くこと 音を聴くこと
電波科学 という雑誌。1969-6 の臨時増刊
出版: 日本放送出版協会 今の「NHK出版」
この増刊号は、予算別のステレオ装置の組み合わせ・・・「何を買ったら幸せになれるか」の特集を組んでいる。私も若いときは”この手”の雑誌をおおいに参考にした。参考にしたという言い方は手ぬるい。はっきり言うと「ステレオ・サウンド」などで評論家の高い評価を得ている機械を買った。
読んで感じるのは、このレポート(評価)の中心人物は菅野沖彦氏だということ。この時代から菅野沖彦氏がオーディオ評論家の中心に座っていたのかは知らないが、オーディオ評論でメシが食え始める頃だと思う。菅野沖彦氏も最近亡くなられた。合掌。
私自身この雑誌を参考にしたかは覚えていないが、最初に買ったのは山水のプレーヤーとテクニカのAT-35Xだった。
いろいろと書いてきたが、何を言いたいかというと、この雑誌で一番に面白かったのはこれ。伊藤瞭介氏が選んだ最も高額(約49万円)な組み合わせのレポート。(一部コピー)
オーディオ評論家の菅野氏や岩崎氏は、この時代から音を聴く事と、音楽を聴くことは別だった。
やはりそうか。
岩崎 :音楽を聞くときはそこへいく。音を聞くなら別のところへいく。
オーディオから、趣味を音楽に変える時には「転向」しないといけないのです。