レコードを聴く遊びを始めた60年前は「ステレオ」と呼んだ。モノラルでもステレオと呼ぶ。今から
考えると違和感がある。
のちに「ハイファイ」と言いはじめて、いつの時期かは知らないが「オーディオ」と名前は変わった。
この「オーディオ」という呼び方も自分的にはしっくりこない。名前の定まらない不思議な趣味だと思う。
レコード再生を「アナログ」という呼び方もしっくりこない。方式の違いで区分をすればテープレコー
ダーもれっきとしたアナログで、ガラス棒温度計や古い時計や針のついた計量器もすべてアナログであ
るのにレコード再生をなぜアナログと呼ぶのか。
本日のお題 「TD124 の回転ムラ」
数年前から気になりながら放置していた。それは TD124 のストロボの揺らぎ。わずかですがストロボ
の左右にゆらゆらとした回転のムラがあります。1秒間に1回程度です。
30cm の円盤の外周が1ミリ程度揺らいだところで音に影響があるかは分かりません。さらに我が家のカ
サブタのような耳で音の違いが分かるわけがありませんが、見て分かるというのは気分がよろしくありま
せん。
じっくり見るとストロボの点が左右に揺れて
います。
どこが原因かの確証はありませんが、犯人はアイドラーが真円になっていないようです。アイドラーを
削って真円にすれば回転ムラが無くなるという予測で作業を進めます。
いつものように、あり合わせの材料と道具で
修復を試みます。
右の頭のないネジは4.9ミリ径です。
アイドラーの軸(スリーブ)は5ミリで、ス
リーブを傷めないように薄い紙で養生をしま
す。
上下をナットで挟んで準備完了です。
ボール盤がありませんのでドリルで代用しま
す。
回転させ、軸のブレが無いポイントを探して
ナットで固定します。この作業が重要で、ブ
レがなくなるまで時間をかけて調整します。
もう1つのポイントはドリルと紙ヤスリを固
定すること。
紙ヤスリは粗めの120番を使いザックリと削り
ました。
完成。
ストロボの揺れは目で見るかぎりピタリと止ま
っています。
貧弱な道具と材料の割には良い結果で、大成功
です。
ワウ・フラッターのこと(おおざっぱな想像)
TD124 MkⅡのスペックは 「ワウフラッター 0.1%以下」となっています。
測定法がわかりませんが、仮に 300mmの円盤の外周が900mmとして1~2ミリの揺れは 0.001%
オーダーの話です。
この回転ムラはワウフラッターのワウに該当するものですが、外周で1ミリていどの揺れというのは正
規の計測ではどうなんでしょう。少し気になります。